牧象図


シャマタ(Shi-nä)瞑想のためのガイド 牧象図


1. 聴聞力、聞く力による瞑想の第一段階の心の安定。修行者は象と離れている。象はサルに引っ張りまわされている。

2. 対象に集中して心を安定させる。

3. 綱は憶念(マインドフルネス)を表す。憶念とは、心がさ迷うことがないように瞑想対象に集中すること。

4. 鈎は正知を表す。正知とは、瞑想対象から注意がそれていること、心がさ迷っていることに気付いていること。

5. 炎の大きさは精進の大きさを表す

6. 象は心、黒は心の落ち込み(昏沈)を表す。

7. サルは散漫な心の状態、黒は対象にとどまらず散ってしまう心の昂ぶり、掉挙(じょうこ)を表す。

8. 憶念力マインドフルネス、第二段階の心の安定。

9. 対象に集中することで、途切れることのない連続した安定。

10. 五感の欲望によって心が散漫になる。

11. ここから、黒い頭が少しずつ白くなり始める。瞑想の対象をはっきりと保持し、集中対象に固定していることを示す。

12. 憶念力マインドフルネスによる第三段階と四段階の安定。

13. 修行者が象を憶念マインドフルネスの縄でつないでいる。集中対象に心を引き戻して集中を固定。

14. 象の背にのる野ウサギは微細な落ち込み、修行者はこの段階から粗雑な落ち込みと微細な落ち込みの違いを認識できるようになる。

15. 動物が後ろを振り向いているのは、修行者が心の散漫に気づいて再び集中対象に心を戻すことを表す。

16. 明快な概念を維持、集中対象の細部に集中。

17. 正知、ここから五段階、六段階の心の安定へ至る。

18. 心を示す象の前にいたサルが後ろに位置している。心が安定する前に心が散漫になることが大幅に減る。

19. 道の外にある木の上でサルが善行の果報を表す果物を持っている。シャマタの瞑想中は、たとえよい行いをするといった考えが生じても集中が途切れるから、その思考を横に置いて、粘り強く対象を集中する。ただし、シャマタ瞑想中でないときには、よい行いを避ける必要はない。

20. 正知力、心は漂わなくなり、心は安定に向かう。

21. 心は統御される。

22. ウサギがいなくなっている。心は静まる。

23. 心の安定力は精進力によって達成される。

24. サルが白くなっている。心が完全に静まる。この段階では微細な乱れや落ち込みですら生じない。たとえ生じても少しの努力で取り除かれる。

25. 黒かった象が白くなっている。サルがいなくなっている。象をつないでいた縄がなくなっている。最初に少しの量の憶念と正知を用いれば、散漫さや落ち込みによって妨げはしない継続した安定状態にとどまることを示している。

26. 心が一点に集中している。

27. 象が横たわっている。完成の力。第九段階の安定は完成力によって達成される。

28. 完全に平等な状態

29. 空中を舞う修行者。体の軽やかさ(身軽安)

30. シャマタによる心が静まった状態。

31. 象の上に座る修行者。心の軽やかさ(心軽安)。

32. 輪廻の根源や形成が、シャマタと空を観じるヴィパシャナの合わさった力によって破壊される。炎は憶念と正知の力を示す。これらの力を備えると、現象の究極の智慧である空の本質を知ることができる。


参考資料 

『大乗仏典 中国・日本篇〈15〉ツォンカパ』 中央公論社 から「付録:チベット牧象図」 御牧 克己

インターネット上のPDFの中の10pから17p

「チベット牧象図 再考」御牧 克己

チベット医学胎生図

チベット医学チャクラ図

チベット医学チャクラと経絡図